水景の音楽教室

音楽の基礎知識と打楽器関係のことを書いてます

楽典ってご存知ですか?

 

 かな〜り久しぶりな更新となってしまいました...

 

 メインブログもあまり書けてないですし、

 私生活も変化があったりで、あまりこちらに手が回らなかったのです...

 (まぁ、主な理由は楽器演奏に夢中だったからなんですけどね...💦)

 

 

 

 さぁ、気を取り直して、久しぶりの更新、いってみましょ〜。

 今回のお話は、楽典!!

 

 

 1. 楽典ってな〜に?

 まず、「楽典」という言葉自体が聞き慣れないですよね。

 普通に知っているとしたら、音大生かプロの音楽家くらいだと思います。

 

 簡単に言ってしまうと、楽典とは、

 音楽に関する基礎的な理論のお勉強のことを言います。

 

 小学校や中学校などで、

 ♩は「4分音符」、♪は「8分音符」とか、

 <は「クレシェンド」(だんだん強く)、>は「デクレシェンド」(だんだん弱く)とか

 やりましたよね?

 あれも、楽典の中に含まれている音楽の基礎中の基礎知識です。

 

 

 2. 楽典を学ぶと...?

 楽典の守備範囲はかなり広いです。

 ぶっちゃけ、音楽の世界全般と言っても良いくらいに。

 

 だいたいの楽典の教本は、

 ・譜面が理解できる

 ・楽器の演奏が一通りできる

 ・短いフレーズでも自分で譜面が書ける

 この辺りを主な目的にして書かれているのかなぁと私は理解しています。

 

 その過程で、例えば、

 ・ピアノの奏法を学ぶ

 ・弦楽器の構造や音域などを学ぶ

 ・打楽器が作るリズムの基本フレーズを学ぶ

 といった具合に、様々な楽器のことについて知る機会があります。

 

 たとえ、

 自分はピアノ1本でやっていくんだとか

 自分の専門は弦楽器や打楽器だから、他は関係ないやとか

 そんな風に思ったとしても、基本的な所はちゃんとやろうね?

 というのが楽典の教本の基本スタンスであり、それが楽典を学ぶ利点かなと。

 

 趣味であれ、プロの仕事であれ、

 自分が興味がある、専門領域の楽器以外のことって知る機会はあまりないですし、

 逆に、知ればもしかしたら他の楽器に興味が湧いて新たな発見があるかもしれない。

 あるいは、楽器の演奏も楽しいけど、作曲も楽しいと思えるかもしれない。

 

 何事も基本に忠実であることは、とても大事なことで、

 どこかで壁にぶつかったり、行き詰まったり、迷ったりした時に

 基本に立ち返ることで、進むべき道が見えてくることもありますし、

 今までとは違う挑戦をしたい時にまず何からやれば良いのかわからない時も

 基本に戻ればだいたいの道筋が頭の中で構築されることもあります。

 

 

 そういう意味で、楽典は大事なんだなぁと私は思いながら教本を読んでます。

 

 

 3. 理論だけが全てではないけれど

 最初の方でも軽く紹介したように、

 楽典は「音楽理論の基本的なお勉強」です。

 

 その点では、正直、あまり面白みがない、むしろ、つまらないことだらけです。

 そして、どんな世界でもそうでしょうけれど、理論だけが全てではないのです。

 

 「机上の空論」とか、「理論上ではそうだけど」なんてよく言いますが、

 やはり理論と実践は、必ずしも常に一致しているわけではないですし、

 むしろ、理論通りにやることで実践で失敗するなんて話も珍しくないです。

 

 

 音楽の話題で、この話を出すのもどうかとは思いますが、

 わかりやすい例で言えば、将棋とか囲碁の世界。

 

 将棋も囲碁

 少なくとも江戸時代から今のような形式でのゲーム性が確立されてきました。

 その中で、より「強い一手とは何か」を追求する研究もされてきました。

 

 その結果、

 将棋では「定跡」、囲碁では「定石」という

 理論的に構築されたいわば「常識的な手」が確立されました。

 

 しかし、常に定跡や定石が正しい手となるとは限らず、

 有名どころで言えば、「羽生マジック」と呼ばれる

 将棋棋士羽生善治九段が見せる「あっと驚く一手」「常識破りな一手」で

 勝負を乗り越えてきた人も少なくないと聞きます。

 

 この話から、理論は確かに正しいかもしれないけれど、

 同時に、既に研究され尽くしていることも意味しているから、

 理論通りに実践に移ると、何とも言えぬ「既視感」のようなものを感じる。

 そういうことが言えるのではないでしょうか。

 

 

 おそらく、音楽の世界でも同じことで、

 理論通りに演奏するのが良い場合ももちろんあるでしょうけれど、

 それは同時に、「他の人でもできること」と証明しているようなもので、

 自分の演奏も所詮は「他人の真似事」に過ぎないとか、

 自分なりに作品を解釈してアレンジを加える可能性を排除してしまうといった

 問題点も同時に意味しているのだと思います。

 

 そうした意味で、

 楽典を学ぶ時は、理論も大事だけれど、これが全てだと思ってはならない。

 そう割り切ってしまうことが、つまらない楽典を乗り切るコツなのかなぁ

 なんて私は思っていたりします。